Miyo's blog 『光のワルツ』 miyogarden.exblog.jp

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☆今ここにある奇跡の光と共に☆ 花を贈るような気持ちで、日々の出来事や感動体験、映画『夢みる望遠鏡』のことなど、色んなことを綴ります♪


by 幸村みよ
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まことの望み


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『夢みる望遠鏡』は構想の期間も入れて、
約二カ月間で完成しました。
(※ちなみに構想は2週間)


そして、それから二年も経たないうちに、
本になって出版されました。
自費出版ではなく、商業出版です。


無名の新人が書いた本が、です。


それはやはり
奇跡といえるのではないでしょうか072.gif


ありがたいお話です♪


今日も、『夢みる望遠鏡』の中から、
一部分を紹介しようと思います。


前回の記事に、湧き水の話を書きました。


『夢みる望遠鏡』には、
いくつかのキーワードがありますが、
「水」もそうなんですね!
それと「月」!


お楽しみいただければ幸いです(*^^*)


みなさまの、わたしの、
「まことの望み」がかないますように
との想いをこめて053.gif



 広い庭をほとんど見終わり、マーヤと子供たちは、とうとう家の裏にある森の入口のところまで来ました。この先は深い森になっていて、薬草たちの楽園だと、マーヤは話しました。子供たちは森に入ろうとしました。しかし、四人とも洗ったスニーカーの代わりに、サンダルやスリッパを履いていたため、彼女は子供たちに、足元が滑りやすく危険だから、森に入るのはあとにしようと言いました。

 森に行かない代わりに、マーヤは森の中にある、泉にまつわる伝説を子供たちに聞かせました。四人はその話を聞きながら、まだ見ぬ泉はどんなところだろうかと、想像をふくらませました。

「昔、えらいお坊さんが、旅の途中、この野之花島を訪れました。そのお坊さんは、あるがままの美しい自然の姿を見るのが大好きで、島の景観が気に入ったのはもちろんのこと、島で暮らす人々の純粋さにも、ずっと心を打たれていました。
 島を立つ日の前日、お坊さんは、その日出会った一人の木こりの男から、こう言われました。『この島の森には、底まで見えるほど透明度が高く、清らかな泉があります。その泉に月がうつったときの風情は、それはもう、この上なくすばらしいものです。ひと目見てから帰られたらどうですか?息子に案内させますから』

『ぜひともよろしくお願いします』とお坊さんは答えました。

 折しもその夜は十五夜でした。満月が空の真上に輝く頃、泉に着いたお坊さんは、噂どおりの美しい風情を見て、言葉にならないほどの感動を覚えました。こんなすばらしい自然の姿に会えるとは、自分は何て運のよい人間なのだろう。お坊さんは自然に感謝し、連れてきてもらった青年にも感謝しました。

 ふとそのとき、お坊さんは、親切で心根のやさしい野之花島の人々のために、あることを思いつきました。お坊さんは、月の精に、願望がかなえられるという月のエネルギーを、泉の中に注ぎ入れてほしいと頼んだのでした。月の精は、その話には応じられないと言って断りました。しかし、お坊さんのあまりの熱心さに根負けして、ついに月の精は、泉を鏡代わりに使わせてもらっている間だけ、エネルギーを入れることを約束したのでした。

 お坊さんは月の精にお礼を述べてから、青年に言いました。『この泉の水を飲めば、そなたの願いはかなう。それがまことの望みであれば』

 青年はお坊さんの言うことを素直に信じました。そして、『幸せになりたい』と心の中で言ってから、泉の水を飲みました。すると、まさにその瞬間から、青年は幸せ者になれたのでした。それから間もなく、青年は美人で気だてのよい娘を嫁にもらい、子宝に恵まれ、富も得て、一生幸せ者のまま暮らしました。

 願いをかなえてくれる伝説の泉の水は、今も清く澄んで、人々の心に希望を与えています」

「早く行ってみたいな、その泉に」とソーラは言いました。「近いんですか?」

「森に入って、十分くらい歩いたところにあるわ」とマーヤは答えました。

「月がうつった泉の水を飲めば、どんな願いもかなえてくれる……?そんな伝説、信じられるわけないよなあ。ぜったいにありえない」とリクは言いました。

「そりゃそうさ。あくまでも伝説だからな。きっと、だれかが考えたおとぎ話だよ」とツバサは言いました。「それにだよ、元となる出来事があったとしても、語り継がれていくうちに尾ひれがいっぱいついて、事実とはかけ離れてしまっているさ」

「でもね、事実なのに、作り話だとか言われて、信じてもらえないこともあるよ」とミウは自分の体験を思い出して言いました。「正直に話しているのに、うそだろうって。うそつき扱いされて、とても傷ついて……。本当のことを言うのは、ときにはすごく勇気がいるんだ」

「本当のことを言うのに勇気がいるなんて、なんか変だね」とソーラは言いました。

「それは、固定観念というものが、たいていの人にあるから」とツバサは言いました。「本当のことであろうと、その人が信じてきたこと以外の情報が入ってくると、頭はすぐには柔軟に対応できないんだよ。それで、とにかく聞いたことを否定して、心を安心させるんだ。また、自分であんまりものを考えようとしないで、大多数の人がそう考えるからそっちの方が正しいと決めつけてしまう人も多いし。少数派は立場が弱いから、弱い人間ほどそこにはいたがらないってわけさ」

 ツバサは話し終わってから、ハッとしました。彼は自分もさっき、事実は伝説どおりではないんだと、頭から決めつけてしまっていたことに気づいたからでした。事実も伝説どおりかもしれないと考えてみるべきか。でも、やはり僕は、科学的な根拠や証拠を示されないと、事実だとは認められない。なぜなら、それは僕のポリシーだから。彼は心の中で自分に言いわけして、自分を許しました。

「なあなあ、でも、もしも、泉の伝説が本当で、泉の水を飲めばどんな願いもかなうんだったら、月夜になると、泉のまわりは人でいっぱいにならないか?お祭り騒ぎみたいになってるよ、きっと」とリクは言いました。彼はマーヤが何か言ってくれるのを期待しました。しかし、マーヤは何も言わず、ただほほえんでいました。

 少し間をおいてから、マーヤは話し出しました。「泉の伝説が、客観的に見て事実かどうか、そればかりにこだわると、大切なことを見落としてしまうわ。あなたたちがこの話を通して、何を学ぶか。そこが重要なの。事実よりも、真実を探すようにね。私はここまでしか言わない。あとは、一人ひとり体験して、確かめてちょうだいね。それと、リクくん、私はどんな願いもかなうとは言わなかったはずよ」

 リクは自分の思い込みに、まったく気づいていませんでした。

「まことの望みがかなうと、マーヤさんは言ったのよ」とミウが言うと、リクはそうだったのか、と言って苦笑いしました。しかし、そのあとリクは考えました。まことの望みの「まこと」とはどういう意味なんだろう……。

「さあ、お茶にしましょう」とマーヤは言いました。「手作りのフルーツケーキがあるのよ」

 四人は思わず笑顔になりました。みんなは先を競うようにして部屋に戻りました。

幸村みよ『夢みる望遠鏡』 (第7章 妖精の花園)より



幸村みよホームページ☆Angel Garden☆
著書紹介ページ
http://angelgarden33.jimdo.com/book/

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この泉の水を飲めば、
そなたの願いはかなう。
それがまことの望みであれば。
(❀╹◡╹❀)
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by angelgarden33 | 2014-04-26 22:11 | 夢みる望遠鏡 | Comments(0)